「国立社会保障・人口問題研究所が」調査した「50歳時未婚割合」が高い都道府県のTOP10はコチラです。
【女性】50歳時未婚割合が高い都道府県
・1位:東京都(19.20%)
・2位:北海道(17.22%)
・3位:大阪府(16.50%)
・4位:高知県(16.48%)
・5位:沖縄県(16.20%)
・6位:福岡県(16.08%)
・7位:京都府(15.81%)
・8位:長崎県(15.38%)
・9位:鹿児島県(14.69%)
・10位:愛媛県(14.58%)★全国平均=14.06%
*人口統計資料集(2021)より
【50歳時未婚割合とは】 50歳時点で一度も結婚経験がない人の割合 50歳時の未婚率であり、45~49歳と50~54歳の未婚率の単純平均により算出 過去に生涯未婚率とも呼ばれていました。
それでは、未婚率の高いTOP3の都道府県について、もう少し詳しくみていきましょう。
【1位】東京都の年齢別未婚率
女性は15歳以上の人口が約599万人に対して、未婚者は約165万人(未婚率29.48%)でした。
年齢別の未婚率は下記になります。
・20歳~24歳:97.19%
*(国勢調査)東京都の統計より
・25歳~29歳:68.28%
・30歳~34歳:39.48%
・35歳~39歳:27.89%
・40歳~44歳:23.76%
・45歳~49歳:21.00%
・50歳~54歳:17.40%
・55歳~59歳:13.67%
上記の年齢別の未婚率をみて分かることは、30歳を過ぎると未婚率の減る割合が少なくなることです。
25歳~29歳の5年間で「28.8%」の独身女性が結婚するのに対して、30歳~34歳の5年間では「11.59%」と半分以下の人数しか結婚していません。
約60%の女性が20代のうちに結婚し、30代で結婚する女性は約16%となります。
結婚しない理由(東京)
東京都の未婚率が高いのには、大都市ならではの理由があります。
もっといい人がいるはず症候群
独身女性が結婚しない理由の第1位は、
【適当な相手にまだ巡り会わないから】
です。
東京の場合、出会いの機会は多いのですが、男性が多すぎるゆえに結婚のタイミングを逃すというケースが多いです。
周囲に男性はたくさんいるし、身近な友達が好条件の彼氏と結婚することも珍しくありません。
そうなると
「私にも、もっといい人がいるはず」
という気持ちになるのも分かりますけどね。
異性はたくさんいるので選択肢が多く、
「こっちがダメならあっちにアプローチすればいいや」
と、一人ひとりに対する向き合い方が雑になる場合もあります。
特に若いうちは「変に妥協したくない」という気持ちも強く、もっと良い条件の男性を求めて行動しがちです。
そうこうしているうちに30代に突入し、出会いの機会が激減して慌てて方向転換するのですが
「時(とき)既に遅し」
です。
それに気づいたときが、「結婚しない」から「結婚できない」に変わる瞬間です。
同居できない・実家が遠い
東京は地方から出てきている人が多く、結婚しても親が近くにいないため頼りにくい状況にあります。
「親に頼るなんて、自立していない」と思うかもしれませんが、今の社会情勢を考えると親の支援があるとないとでは大違いです。
というのも、結婚しない理由の第3位が、「経済的に余裕がないから」ということだからです。
結婚して子供ができて成人するまで育てていくには、子供一人に「800万円~2,000万円」が必要となるというデータがあります。
そうなると、夫婦共働きで稼がないと難しいのが現実です。
共働きの場合、子供ができると保育園などを活用しながら働くことになります。
保育園は待機児童問題や入園できても費用の面で負担が発生します。
そんなときに親が近くにいて子供の面倒をみてくれれば、安心して仕事をすることができます。
また子供が育ってくると、一軒家への住替えなども考える時期がきます。
地方の場合、実家が広い一軒家だと同居できますし、実家の空いた土地に新築する人も珍しくありません。
東京出身者の場合は、実家がせまくて同居できないケースが大半です。
親を頼りたくない気持ちは分かりますが、結婚には親に援助を求めるケース
【2位】北海道の未婚率が高い理由
北海道の「保健福祉部子ども未来推進局子ども子育て支援課」の公表によると、北海道も子育て支援力が弱い傾向にあるようです。
三世代同居世帯割合及び平均世帯人数が減少してきている全国平均よりも低いため、家庭における子育て支援力が弱い状況にあります。
*北海道 保健福祉部:少子化の要因
さらに
- 育児休業制度を規定している事業者の割合等が全国に比べて低い
- 若年者の完全失業率が全国平均よりも高い
など、結婚に対して不安を感じやすい社会背景もあります。
実際に札幌市が行ったアンケート結果をみると、そのことがハッキリと分かります。
・対象:25歳~39歳の未婚者のうち、結婚したいと思っている男女
・質問内容:「結婚への最大の障害」は何か?【アンケート結果の1位】結婚後の生活を維持していくための資金
*さっぽろ未来創生プラン
全国と比較して札幌市の25歳~39歳は未婚率が高い状況となっています。
やはり経済的な不安が「結婚しない」という選択をさせている状況がうかがえます。
【3位】大阪の未婚率が高い理由
大阪府では、「男女で未婚率を高める要因が違っている」ことが特徴です。
例えば、男性は年収が低いほど未婚率が高い傾向にありますが、女性に関しては年収との明確な傾向は見られていません。
また、男性は非正規雇用のほうが未婚率は高いのですが、女性は正規雇用のほうが未婚率が高くなっています。
他にも女性は他府県と比較して、20歳代後半から未婚率が高くなる傾向にあります。
このように女性の雇用形態が、未婚率の傾向に影響していると思われます。
ちなみに大阪府内で未婚率ランキング下位と上位は下記になります。
【府内市町村別未婚率の状況】
*不市町村別未婚率の状況(2015)
対象:25歳~39歳女性
74位:豊能町(62.4%)
73位:能勢町(59.5%)
72位:大阪市中央区(53.8%)
71位:大阪市浪速区(52.5%)
70位:千早赤阪村(50.5%)
・・・
5位:摂津市(35.4%)
4位:貝塚市(34.9%)
3位:堺市北区(34.6%)
2位:堺市西区(33.8%)
1位:大阪市鶴見区(30.8%)
結婚しない理由(大阪)
大阪の独身女性(25~34歳)が独身でとどまっている理由は、下記になります。
・1位:適当な相手にめぐり会わない
*未婚者等に対する状況調査(2018)
・2位:自由や気楽さを失いたくない
・3位:結婚後の生活資金が足りないと思うから
・4位:異性とうまく付き合えないから
・5位:結婚資金が足りないから
アンケート結果で興味深いだったのは、大阪府の未婚女性は、地方の未婚女性と比べ、
「今後、適当な相手にめぐり会う可能性がある」
と、考えている割合が高い傾向にあるということです。
その割には、「適当な相手にめぐり会わない場合の対応」としては、
【無理に結婚しようとすることはない】
が第1位で、ガツガツ婚活しないという女性が多いようです。
他にも、女性が男性に求める条件については、
・1位:人柄(82.1%)
・2位:価値観が近いこと(75.3%)
・3位:相手の収入などの経済力(74.1%)
で、3位の「相手の収入などの経済力」は他地域と比べて高い数値となっています。
また、結婚相手に求める条件の数も、大阪の女性は「6個以上」と全体平均よりも高い数値でした。
他地域に比べて「親や家族から結婚するように言われる」人の割合が低く、周囲からのプレッシャーも少ないという結果もでています。
周囲のプレッシャーが少ない人は、結婚への意欲が低い傾向にあります。